最下位DeNAで壊滅的な投手陣 元大洋のエースが指摘する低迷の“元凶”とは…
「終わった直後は解放感に包まれ疲労を感じにくい」
「山崎にしてもプロ1年目にあれほど落ちていたツーシームが、2年目から落ちなくなった。シーズン中は試合に没頭しているし、終わった直後は解放感に包まれ疲労を感じにくい。しかし、疲労が残っていればパフォーマンスは半減する」と遠藤氏は言う。ただし、「2桁勝利というのは、まぐれではできない。それなりの技術がある証拠。DeNA投手陣が疲労の取り方を改善できれば、強力なスタッフに生まれ変われる可能性はある」とも付け加えた。
1年間フルで活躍した投手が疲労を取るには、その年の12月の過ごし方が重要だと言う。現役時代に2年連続での最多勝を含め、1982年から87年まで6年連続2桁勝利をマークした遠藤氏は、プロ3年目から現役引退まで、毎年12月に1週間から10日間ほど、同僚の齊藤明雄氏と一緒に“山ごもり”を行っていた。
「1月の自主トレに入る前の準備段階として、疲れを取りながらトレーニングをするのが目的でした。休んでいるだけでは疲れは取れませんから」。神奈川・箱根の仙石原温泉に宿を取り、標高1212メートルの金時山を毎日片道1時間かけて登った。下山して風呂につかり、午後は地元のゴルフ場で3ホールほど走り込むのが日課。ただ休むのではなく、体を動かしつつ疲労を除去する“積極的休養”を実践していたのだ。
遠藤氏は現役時代、打線の援護に恵まれず優勝こそできなかったが、横浜大洋ホエールズ一筋に15年間奮闘。今もチーム愛は人一倍強い。その声が現役投手に届いてほしい。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)