王者ホークス本領発揮はいつ? 主砲・柳田、3割目前も打撃指標に見る“不調”の影
ボール球をスイングする「BB%」が大幅に上昇
この原因として考えられるのがスイング傾向に表れている。柳田といえば、豪快なスイングとは裏腹に選球眼にも優れ、際どいボールを見極めて四球を選べる特徴がある。だが、今季はストライクゾーン外の投球をスイングする確率を示す「O-Swing%」が33.9%と、昨季の26.3%から上昇している。逆にゾーン内のスイング確率を示す「Z-Swing%」は昨季の79.0%から70.6%へと減少している。ここまでの柳田はボール球に手を出す傾向が強くなっている。
そして、打球傾向にも大きな変化が生まれている。まず、ゴロの増加だ。今季はここまでゴロ割合を示す「GB%」が49.6%に。昨季は38.2%で10%以上ゴロが増加している。当然、フライ割合を示す「FB%」は昨季の48.9%から39.5%に、ライナー割合の「LD%」も昨季の12.8%から10.9%になっている。
柳田は“フライボール革命”の波に乗り、打球に角度をつけて結果を残してきたことがバッティングの特徴だった。他球団の攻め方によるところもあるだろうが、今季はここまでなかなか打球に角度がつけられていない。ボール球に手を出してしまい、打球に角度がつかない。打撃指標を見ると、柳田の不調はここにも原因がありそうだ。
5月12日のロッテ戦で9試合ぶりに本塁打を放ち、その後も18日の西武戦の本塁打を含めて5試合連続で長打が出た柳田。徐々に復調気配にあると言えるか。やはりソフトバンクは柳田が中心。主砲の復調はチームが波に乗るためには不可欠な要素だ。