スキー旅行にバイク免許「人生が楽しい」 引退の概念に囚われない五十嵐亮太氏の今

ヤクルトなどで活躍した五十嵐亮太氏【写真:荒川祐史】
ヤクルトなどで活躍した五十嵐亮太氏【写真:荒川祐史】

アメリカで経験した型にはまらない発想「僕の中にも柔軟性が生まれた」

 2020年12月は、かつて阪神などで活躍した新庄剛志氏がNPB復帰を目指し、12球団合同トライアウトに参加したことが大きな話題となった。「また野球がやりたくなったらやればいい」という思いを体現した1人だが、五十嵐氏に柔軟な思考を与えたのは2012年、ヤンキース在籍時に同じユニホームに袖を通した通算256勝の大投手、アンディー・ペティットの生き方だ。

 ペティットは2011年2月に現役引退を表明したが、翌年の3月に古巣ヤンキースから請われる形で現役復帰。1年のブランクを物ともせず、2013年を最後に2度目の引退を表明するまで、2シーズンで42試合に先発し、1完投を含む16勝15敗という成績を残した。

「引退したら野球をやっちゃいけないわけじゃない。チームに戻ってきてくれと言われて復帰したペティットもいるし、メッツ時代のチームメートだった(ジェイソン・)イズリングハウゼンも肘の怪我をして引退を考えたけど、トミー・ジョン手術をしたらまだ投げられそうな気がするって復活して、通算300セーブを達成しているし。アメリカでいろいろな型にはまらない発想を経験できたことで、僕の中にも柔軟性が生まれた気がします」

 となると、ファンはいつの日か投手・五十嵐亮太が真剣勝負の舞台に復活することを期待してもいいのだろうか。可能性はゼロではないが、すぐに起こることではなさそうだ。

「あそこまでの引退試合を用意してもらって辞められる選手はなかなかいない。自分がイメージした引退より、はるかにいい形で引退を迎えることができたので、その感謝の気持ちも含め、今は非常にすっきりした気持ちの方が強いですね」

 自らの可能性を閉ざさない柔軟な思考を持ちつつも、今は野球以外の新たな挑戦から受ける刺激に魅せられているようだ。

○五十嵐亮太氏の最新情報はこちらから
公式Instagram https://www.instagram.com/ryota_igarashi53/

(佐藤直子 / Naoko Sato)

RECOMMEND