パ・リーグで最も速く一塁を駆け抜けた選手は? 今季の内野安打一塁到達トップ5
西武・源田はベース手前の平淡な大股が「たまらん」!
3位に入ったのは、こちらも“走り”の常連・源田壮亮内野手(西武)。当然のように顔を出してきた。3秒85を記録したプレーでは、特に一塁ベースを踏む手前の最後の一歩に注目してほしい。少しでも早くベースに到達したい心理からか、わずかながら伸びるように大股になって踏み込んでいた。
プロ野球選手には、源田と同じように最後の一歩を大股にしてベースを踏むタイプが少なからず存在する。だが、その多くは、遠くへ飛ぼうという意識なのか、高く跳ねてしまって、「かえって遅いのでは?」と思えてしまう。ところが、源田の場合は低い姿勢で速度を進行方向へ保ったまま、あたかも静かに大きな一歩を踏み出す。まるで、ハードルの選手のような「平淡な美しさ」がそこにはあった。
続く2位も源田がランクイン。3秒84というタイムは、3位の時と0秒01しか違わず。前に出されながらも変化球についていって逆方向へ流した形も似ているが、バットにかろうじて当てただけのゴロになったことで“セーフティバント”のようになった。それが、オリックス・能見篤史投手を驚かせたのか、打球処理のタイミングを誤ってスルーしてしまった。
とはいえ、もし仮に能見がしっかり捕球できたとしても、アウトにできたかどうかは微妙なところだ。いや、「間に合わずにセーフだった」と記録員が判断したからこそ、内野安打という判定がなされたのだろう。源田選手の足だからこそ勝ち取れた勲章だ。