背景には元広島戦士の助言 “パンフ”に名前のない福井工大の伏兵が殊勲のアーチ
7年ぶりのベスト8進出、8強出揃い、準々決勝は名城大
3安打は全て大商大の先発左腕・伊原陵人投手(3年)から。役割を十分果たした。背景には、この春から福井工大のコーチに就任した元広島の町田公二郎氏の存在が大きい。町田氏は現役時代、広島、阪神で代打の切り札として活躍。左腕にめっぽう強いことから「左キラー」と呼ばれた。
町田コーチからは「全国では真っ直ぐが速いから、振り遅れないように始動を早くする」という指導を受けた。その言葉通り、本塁打を打ったのは内角の直球。押し負けずにスタンドまで運んだ。
7年ぶりのベスト8進出を決めた福井工大は、10日の準々決勝では、名城大との対戦が決まっている。
「全員で速球に対応する練習はしてきたので大丈夫です。新鮮な気持ちで総力戦で勝ちたい」
福井工大は勝てば1994年以来27年ぶりの4強。ベンチ外だった「左キラー」が、今大会初の神宮球場で、チームの勝利に貢献する。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)