女子高校野球の“悲願”成就に感激の涙… 片岡安祐美さんが語る聖地・甲子園
「マスターズ甲子園」で目指す夢の実現「ひっそりと現役引退しています」
女子選手たちの想いがバトンとなってリレーされてきた一方で、女子が野球をすることに対して理解を示してくれた人たちのサポートがあったことも忘れてはならない。
「一般には『女の子が野球なんて……』と言われながらも、『やりたいんだったらやればいい』と応援してくれる方たちがいた。選手はプレーすることしかできませんから、野球をすることを受け入れ、プレーする場所を与えてくれた身近にいる大人の方たち、スポンサーとなってくれた方たちなど、皆さんへの感謝の気持ちを忘れてはいけませんよね。今回の甲子園の件に関しても、実現に尽力してくださった高野連、甲子園球場、全日本女子野球連盟の方々に本当に感謝しています」
8月22日に行われる決勝戦は、ぜひ現地で歴史が刻まれる瞬間を見届けたいと願っている。現在、女子高校野球を指導する監督には同年代が多く「監督で甲子園を目指せるのもいいですね」と続ける。
「甲子園の土の上に立った時、選手、そして監督の目にはどういう景色が映るのか、どんな世界が見えるのか、どんなことが感じられるのか、彼女たちに話を聞いてみたいし、その姿を見た私自身がどんな感情を持つのか、今から楽しみですね」
とはいうものの、片岡さん自身、まだ甲子園で野球をする夢を諦めたわけではない。2004年に始まった「マスターズ甲子園」で夢を実現させようと、出場資格を得るために、今年から茨城ゴールデンゴールズでの選手登録を外した。今年18回目を迎えるマスターズ甲子園は12月4、5日に甲子園で開催される予定だ。
「ひっそりと現役引退している形なんです(笑)。ただ、ずっと言ってきたのは『私が引退するのは甲子園でプレーする時だ』ということ。だから、社会人野球での選手登録は外しましたが、元高校球児として熊本商業の一員として甲子園を目指します。いつ出られるかは分からないけど、これからお母さんになってからでも、おばあちゃんになってからでも、甲子園に出場できたら格好いい。母校のユニホームを着て出られたら、一番いい夢の叶え方ですよね」
甲子園でプレーするその日まで、片岡さんは大きな夢を追い続ける。
衣装協力=G-STAR RAW
(佐藤直子 / Naoko Sato)