司法書士や税理士…各界プロが運営に参加 滋賀・東近江市発「オトナ女子の本気野球」

選手は午前練習、午後仕事 小さな街の起爆剤に

 チームが産声を上げたのは2018年春。その数年前から京都両洋高の上田玲監督は教え子の将来的な受け皿づくりを模索していた。選手の雇用や生活基盤、練習場所とクリアすべきことは多いが、教え子である中嶋優菜捕手の父・輝さんに相談すると「東近江だったらできるよ」と即答をもらった。

 2015年に市政10周年を迎えた東近江市では、ちょうど若手経営者たちがまちの将来について真剣に議論していた。人口11万人の東近江市で小さな会社を営む中嶋さんもその一人。女子野球の魅力を語り、まちづくりの起爆剤になると夢を語り、仲間を増やしていった。

 設立4年目の今年は選手15人が在籍。京都両洋高出身者7人のほか、北海道や沖縄など全国各地から選手が集まった。平日練習は午前8時30分~11時30分となっており、選手が午後から就労できる勤務先を市のしごとづくり応援センターがマッチングする。

 空き家を改修したシェアハウスで自炊生活する選手たちの元には、農場経営する運営部の小森幸三代表から年間通して米飯が提供され、支援者から近江牛や季節の農産物なども届く。広報部の嶋澤さんは「野球をしていなかったら東近江市なんて知らない選手たちばかりなのに、バイオレッツのおかげで、知っていただき、住んでいただき、訪れてくれる場所になりました。退団してもここに残って就業したり、第2の故郷のように訪れてくれる選手もいて、そのこと自体がうれしいです」と地元の思いを代弁する。

昨年は西日本大会で優勝、侍ジャパン代表も輩出

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