司法書士や税理士…各界プロが運営に参加 滋賀・東近江市発「オトナ女子の本気野球」
昨年は西日本大会で優勝、侍ジャパン代表も輩出
運営部メンバーの熱意と行動力は年々パワーアップ。今年5月には、協力企業数社が力を合わせ、中古バスを購入して、チームロゴなどをラッピング。デザイン、タイヤ交換などかってでて、3か月かけて完成させた。サプライズでできた25人乗りバスを選手達にお披露目。「地方だからできたんじゃないかと思います。地域で彼女たちをもりあげたいという思いが実った結果」と嶋澤さんは豪快に笑う。
愛情たっぷりのバスを目の当たりにした選手たちは歓声を上げた。選手5人でスタートした1年目から昨年まで主将を務めた横山彩実内野手は「びっくりしました。スポンサー探しから何から何まで運営部の方がやってくださって、本当にありがたいです。結果で恩返ししたいです」と力を込める。試合結果だけではなく、ボランティア活動にも精を出し、昨年はコロナ禍で弁当配達も買って出た。
上田監督の思いと運営部の実行力で出来上がった独自の地域密着スタイル。「最初は企業チームをイメージしていましたが、今となってはこの形はすごいと思います」。そう語る上田監督自身も午前中は東近江バイオレッツ、午後は京都両洋高を指導と片道1時間以上かけて二足のワラジを履き、奮闘している。
地元の新聞やケーブルテレビ、コミュニティーFMで選手紹介やチーム活動を取り上げてもらい、知名度も少しずつ上がっている。昨年は、西日本大会で初優勝し、今年1月には侍ジャパン女子代表に横山内野手が初選出された。
力強い後押しを受けて、目指すのは日本一だ。「オトナ女子の本気野球」をコンセプトに掲げる上田監督は「1年目は選手5人からのスタート。その5人が一生懸命頑張ってくれなかったら今はないと思います。年々チームらしくなり、目指す野球に近づいている実感があります」と手応えを口にする。地域活性化を担いながら関西全日本女子硬式野球選手権と全日本女子硬式野球クラブ選手権制覇へ。挑戦は始まったばかりだ。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)