25年ぶりVが現実味帯びるオリックス 優勝争い演じた7年前との「共通点」と「相違点」
今年は福田&宗の1、2番が機能、迫力備える吉田正&杉本
続けて、2021年のオーダーの一例を見ていきたい。
福田周平内野手と宗佑磨外野手という1、2番コンビが見せるチャンスメーク能力は、2014年のそれを上回るものといえそうだ。2020年の首位打者・吉田正尚外野手と、首位打者・本塁打王争いに加わっている杉本裕太郎外野手も、かつての糸井とペーニャのような迫力を備えている。
宗や高卒2年目の紅林弘太郎内野手がレギュラーに定着しつつあることも含め、若手の台頭が見られる点も明るい材料だ。ベテランのT-岡田が不振脱出の兆しを見せた昨季と同様、勝負強い打撃を見せているのも頼もしい。
同じく2014年に主力を務めた安達も、持病の影響でフル出場は難しいながらも攻守に存在感を放ち、若手の多いチームを引き締めている。若手、中堅、ベテランが融合しているだけに、スティーブン・モヤ外野手をはじめとする助っ人陣の状態が上向けば、さらなる得点力向上も期待できるだろう。
チーム方針を比較すると、今年は盗塁と犠打が共にリーグ最少と、2014年とは真逆の傾向にある点が目に付く。さまざまな策を講じて得点を奪い、強力なブルペンを生かして逃げ切っていた2014年に比べて、今年は選手を信頼し、ある程度自由に打たせることが得点増につながっている。そういった面でも、チーム事情に合わせた両年の基本方針はまさに好対照と言えそうだ。
一方で、T-岡田、安達といった選手たちが現在も活躍しているところは、まさに7年前との最大の「共通点」と言えよう。パ・リーグファンの目を釘付けにした2014年の優勝争いから7年。あと一歩で果たせなかった悲願のリーグ優勝に今度こそ手が届いてほしい。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)