オリックス最後の胴上げ投手が歩む第2の人生 “ノムラの教え”を胸に高校球児を指導

地元で治療院を開院、高校球児には「無理と無茶」の違いを説く

 現役を退いた翌年の2003年から3年間、神戸市の専門学校に通いながら、市内の治療院で整体や骨盤矯正を学んだ。この期間は無収入。当時を振り返り「誰が偉いって妻ですよね。その生活を許してくれたわけだから」と感謝する。

 鈴木氏の治療院には小学生から90歳近いお年寄りまで、幅広い年代が訪れる。思春期の子どもたちは施術を受けながら、両親に話せないことを打ち明ける時もあるという。体のケアはもちろんだが、地域の憩いの場にもなっている。

 高校球児の来院も多い。自身の経験から伝えているのは「無理と無茶は違う」ということ。「高校生で野球を辞める子どもには、3年の最後の夏は多少痛いかもしれないが、これくらいなら大丈夫と背中を押す。勝負をかけないといけない時はある。でも、そのタイミングを間違ってしまうと、勝負をかけられなくなってしまう」。鈴木氏は、子どもたちに無茶をさせない役割を担っている。

野村ノートは現在も治療院の棚に「今でも色々な言葉を思い出す」

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