史上初の4元号甲子園勝利へ 古豪・北海の命運握るプロ注目左腕は「成長を実感」

北海・木村大成【写真:石川加奈子】
北海・木村大成【写真:石川加奈子】

エース兼4番は、2016年甲子園準優勝時の主将だった大西健斗以来

 平川敦監督は木村の3年間の成長について「コロナ禍で練習できない期間があり、もう少しやりたかったという思いもありますが、現状、よくここまできてくれました」と評価する。

 木村は「ラプソード」をコンディショニングにも生かしている。ストレッチを行わずに投げた場合は回転数が低く、股関節や胸郭周りをほぐしてから投げると、回転数が上がることが判明。「筋肉を緩めると力が出ないと思っていましたが、違いました。投げる前のストレッチを入念にやるようになりました」と自身の思い込みを改めた。

 今夏は、初めて4番にも座る。北海では2016年夏の甲子園準優勝時の主将だった大西健斗以来のエース兼4番。「下半身から上半身にうまく連動させるという意味では同じ。ピッチングが良くなれば、バッティングも良くなるし、バッティングが良くなれば、ピッチングも良くなる。どっちも同じくらいの意識でやりたいと思っています」と前向きだ。

 入学時は北広島市内にある自宅から通学していたが、1年生の10月から野球部寮に入り、体づくりに励んできた。2年春からはDeNAの阪口皓亮投手が使っていた“出世部屋”で生活。机には阪口のサインが記されており、常にプロを意識してきた。

 日本ハムが2023年に開業する新球場は、北広島の自宅から徒歩10分の距離。2週間前に帰省した際、建設の進み具合を目の当たりにして心が躍った。「あそこで投げたいという思いがまた強くなりました」。過去に例のない大正、昭和、平成、令和の“4元号甲子園勝利”、その先にプロでの活躍を思い描きながら、高校3年間の最終章を迎える。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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