佐藤輝明を「ゴリオ」と呼ぶ戦友 同部屋で見た“モノノフ”の素顔と打撃求道者ぶり

佐藤輝とは対照的に苦しかった大学生活…リーグ戦わずか8試合出場

 アーチを量産していった佐藤輝とは対照的に、美濃は苦しい大学生活だった。高松商では二塁手のほか投手としても活躍し、2016年春の選抜で準優勝に貢献。胸を張る成績をもって関西大学球界の強豪に入ったが、リーグ戦では出場した8試合全てが途中出場。登録メンバーから漏れる時期もあった。「ふがいない4年間でした」。そんな日々を腐らずに過ごせたのは、いまプロの世界で輝く戦友のおかげだという。立場が変わっても、大きな原動力になっている。

「最初は結構(結果を)チェックしていたんですけど、今は打って当たり前みたいになっていますよね。これまで一緒にいたヤツじゃないなという不思議な感覚です」

 同部屋の「ゴリオ」は、全国に名を轟かせる「サトテル」に――。違う世界で奮闘する友の姿は誇らしく、ほんのほんの少しだけ寂しい。ただ、変わらぬ佐藤輝の行動が、変わらぬ関係性を教えてくれる。

「LINEをしたら、時間がかかっても絶対に返してくれるんですよね。電話をしても出るし、うれしいです」

 時間が許せば、打撃や守備のことを聞いたり、動画を見てもらったり。「向こうはどう思っているか分からないですけど、ただ立場がプロ野球選手になったくらいで、関係は変わらないですね」。今でもグラウンドで“手本”を示し続けてくれていることが、何より頼もしい。

午前中は駅員、午後に練習「もう1度、野球で勝負がしたい」

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