ソフト藤田倭、東京五輪で再確認した胸の内「自分はピッチャーが好きなんだ」
「年齢とともに技術を磨いて、ピッチングをもっと繊細に考えていかなければならない」
「五輪で“投”の方で活躍できなかったことが凄く悔しくて、それで改めて自分はピッチャーが好きなんだと再認識しました。諦めず、自分の良い所を探しながらやっていきたい」と思いを新たにした藤田。2回で降板となったこの日の投球についても「チームが勝ったから言えることですが、思い通りの球を投げられた上での失投だったので、バッテリーで良い反省ができる。良いものも見えてきているので、そこを大事にしていきたい」と前向きにとらえた。
高校卒業後の2009年に太陽誘電へ入団し、2016年には投手として最多勝、打者として最多本塁打、最多打点に輝き、驚異の“投打3冠”を獲得。MVPにも選ばれた。今季から尊敬する上野が所属し、2019年、20年とリーグ連覇中のビックカメラ高崎に移籍した。このチームは、藤田、上野だけでなく、この日3回から3イニングを3安打無失点に抑えた濱村ゆかりら投手陣が豊富で「先輩の上野さんからも、後輩の濱村からも、どちらからも吸収できます」という。
右投げ右打ちの30歳。「日本リーグに長くいるので、相手も私がどういうボールを投げるかはわかっている。今までは勢いで乗り越えられたけれど、年齢とともに技術を磨いて、ピッチングをもっと繊細に考えていかなければならないと思います」と、ソフトボール人生の転機を感じている。「ソフトボール界の大谷翔平」の異名にふさわしい結果をもう一度残すまで、決して諦めはしない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)