51年ぶり9月に単独首位浮上のロッテ 井口監督が自ら語る若手育成と優勝の鍵とは?

1軍と2軍が「全員揃ってのマリーンズ」、チームで持つ共通の意識

 基本的にスタメンを外したり、2軍で調整させたりする時は、必ず選手を監督室に呼んで、担当コーチと一緒に話をします。1人1人が大事な戦力。本来の自分の力を取り戻す時間とし、1軍に呼ばれた時はしっかりプレーできる準備をしてほしいと伝えています。

 僕は常々言っている通り、1軍も2軍も区別はしていません。全員が揃ってのマリーンズ。2軍も全試合を映像で確認し、選手の状態を把握しています。打者であれば高部(瑛斗)、投手であれば土居(豪人)、横山(陸人)といったあたりが2軍で結果を出し、チームの底上げをしてくれている。1軍、2軍関係なく、しっかりチーム内の競争ができているので、自然と選手の意識も高くなっている。就任4年目でようやく形になってきました。

 今年は2軍もイースタン・リーグの優勝争いをしています。今年から鳥越さんが2軍監督になり、さらに細かい野球を叩き込んでくれています。走塁や守備の意識を徹底させるなど、2軍も隙のない野球ができているので、1軍に上がってきた時に順応が早い。マリーンズとして共通の意識を持てていることが大きいと思います。

 冒頭でも触れましたが、ここからの1か月は負けないことがカギ。そのためには先発投手陣が6回まで試合を作って、7回から中継ぎ陣に任せる形を作ることが大切になるでしょう。打線は前半にエンジンの掛かりが悪い時もありますが、中盤以降は力がある。試合の前半をなんとか最少失点で乗り切れば、勝機が見えてくるはずです。

 シーズン終了までタフな試合が続くでしょう。そんな時、昨年は2位争い、一昨年は3位争いで競り合ったことが経験値として生きてくると思います。今は投打がかみ合い、足も使った非常にいい形の野球ができている。だからこそ、リーグ順位を気にして上を見ながら戦うのではなく。自分たちの野球を残り試合全てでやりきれば、自ずと道は拓けるはず。それで優勝できなければ力が足りないということなので、とにかく自分たちの野球をやりきる、今年のチームスローガンでもある「この1点を、つかみ取る。」を最後まで実践し続けるのみです。

 先日、ZOZOマリンスタジアム通算1000勝という節目を迎えましたが、優勝の2文字を球団の歴史に刻むことも大切。そのためにも、最後の最後までチームみんなで同じ目標を見据えながら、全力で戦い抜きます。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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