大混戦のパ・リーグ、セイバー目線で8月MVPを選出 投手部門は超ハイレベルな争い
低迷の獅子打線の中、5割近い打率誇る森友哉が打者貢献度トップ
打者部門の評価として、平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合よりも、どれだけその選手が得点を増やしたかを示す「wRAA」を用いる。各チームのwRAA上位3人は以下の通り。
○ソフトバンク:栗原陵矢6.81、柳田悠岐3.35、牧原大成1.58
○ロッテ:藤原恭太5.89、マーティン3.273、安田尚憲3.269
○西武:森友哉7.71、外崎修汰4.12、川越誠司2.07
○楽天:島内宏明4.92、鈴木大地2.82、茂木栄五郎1.77
○日本ハム:近藤健介2.56、野村佑希1.87、清水優心0.29
○オリックス:杉本裕太郎5.53、安達了一2.89、吉田正尚2.38
好調だったロッテの攻撃陣を牽引したのは藤原と安田であり、OPSも安田1.040、藤原0.970と高水準である。合流は遅れたもののマーティンもOPS1.197とチームに貢献している。また中村奨吾、山口航輝もOPS0.8超えで、切れ目のない打線を形成している。
オリックスでは杉本の貢献が目立つが、ここまで大きく貢献してきた吉田正の数値低下が気になる。さらに吉田正は9月5日に左ハムストリングスの筋損傷のため出場選手登録を抹消され、連続試合出場が512でストップした。
8月のパ・リーグで、打撃による貢献が最も大きい打者は、西武の森である。本塁打こそ0本だったが打率.476、出塁率.585、11四球、OPS1.133がリーグ1位。また盗塁も2回企図して2回成功させており、低迷する西武打撃陣で1人気を吐いている。NPB公式でも7、8月の月間MVP最有力候補だが、セイバーメトリクスの指標による評価でも8月の月間MVPに推挙すべき選手である。