逆転負けで遠のくロッテの背中… 鷹・工藤監督はなぜ甲斐野の回跨ぎを選んだか?
6回を板東、7回を甲斐野に任せるのは工藤監督の想定通り
絶体絶命の窮地を凌いだ甲斐野は7回もマウンドへ上がると、この回跨ぎがまた誤算に繋がった。先頭の中村奨に死球を与えると、暴投で二塁へ進め、角中に左中間への適時二塁打。左翼の栗原が懸命にグラブを伸ばしたが、わずかに及ばず勝ち越しを許した。この6、7回の継投が勝負の行方を左右することになった。
なぜ、この継投策になったのか。そして、なぜ、絶体絶命の窮地を凌いだ甲斐野に回を跨がせたのか。この日、セットアッパーのモイネロが出場選手登録されていた。本来の形であれば、7回に岩嵜、8回にモイネロ、9回に守護神の森のリレーができたはずだった。
工藤公康監督は試合後に「松本が2回をピシッと言ってくれたので、その後はまあシミュレーション通りでいけました。板東が苦しんでいたので、甲斐野が回跨ぎという形になってしまったんですけど……」と語った。甲斐野が回跨ぎとなったのは想定外だっただろうが、6回を板東、7回を甲斐野で凌ぐのは、当初から描いていたプラン通りだったという。