イップスの苦しみが“転機”の始まり… 子どもたちに伝える「心との向き合い方」

小学生の年代でもプロの可能性を感じる選手もいる

 例えば、川島さんは加速や減速、方向転換を取り入れて俊敏性を鍛える「アジリティトレーニング」をウォーミングアップに組み込んだが、ほとんどの選手が最初はうまくできなかったという。それは、能力がないのではなく、経験がないからだった。大会期間の10日間ほどで、ほとんどの選手がポイントを理解し、できるようになった。野球は前進以外にも、横や斜めの動きも多い。スピードがある選手も、横や斜めに動く練習をしていなければ、速さを最大限に活かせない。川島さんは「ステップワークはサッカーでは広まっています。野球はプロの中では練習に入っているので、いかに育成年代まで落としていけるかが大事になると感じました」と振り返る。そして、U-12の経験がトレーナーとしての決意を新たにした。

「チームには小学6年生にもかかわらず、高校生に匹敵する守備力やリーダーシップのある選手もいました。このレベルの選手が、プロ野球選手になれなかったら大変なことだと感じました。中学に入るとけがをする選手が増えます。将来ある選手がけがで諦めないように中学や高校での正しいトレーニング・リハビリの指導が大切でだと思っています」

 トレーニングや指導で子どもたちの将来は変わる。イップスで野球をあきらめた川島さんには、その大切さや思い通りプレーできない苦しみが分かる。だからこそ、最新の知識や技術を追求し、広めようとしている。

○川島浩史
1986年4月22日生まれ、千葉県出身。日本大学第一高等学校で捕手としてプレー。日本大学で教員免許を取得し、卒業後に東京スポーツ・レクリエーション専門学校でトレーニングの知識を学ぶ。現在勤務するワイズ・スポーツ&エンターテインメントでは、子どもからプロまでトレーニング指導。2014年からU-12日本代表でアスレティックトレーナーを務める。日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー。

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(間淳 / Jun Aida)

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