ストレートはどう握ると速くなる? 五十嵐、斉藤和、由規…3人の剛腕が明かす共通点

斉藤和巳さん「全ての球種は第一関節で済ませたい」

 この考え方に賛同するのが、ダイエー、ソフトバンクで絶対的なエースだった斉藤和巳さんだ。最速154キロのストレートを武器に、沢村賞を2度受賞している。斉藤さんも現役時代、ストレートは指1本分を開けて握っていた。人差し指と中指の間隔は狭い方が球速は出ると指摘し「支点が小さくなって力が伝わりやすい。指を広げると力が分散される」と説明する。指を広げるほど、握りはフォークボールに近くなるため、球速が落ちるのは必然といえる。

 また、斉藤さんは「どの球種でも、第二関節はあまり使いたくない。全ての球種は第一関節で済ませたい」と続ける。指がボールに触れる部分を少なくして支点を小さくし、力を集中させることを心がけていた。

 ヤクルトと楽天でプレーし、現在はルートインBCリーグ・埼玉武蔵に所属する由規投手も、人差し指と中指の間隔は指1本分。ヤクルト在籍時に最速161キロ、仙台育英高3年時には甲子園で155キロをマークしている。速いストレートが魅力だが「コントロールを意識する時は、ボールを支える親指を外側にずらす。球速は落ちるが、真っすぐ回転させやすくなる」と場面によって使い分けている。

 ストレートの球速を上げるには「人差し指と中指の間隔を狭くして握る」。制球の難しさは増すが、速球派3人の認識は共通している。

(First-Pitch編集部)

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