最速114キロ、天才女子小学生を育てた父の奮闘「1球受ければ調子がわかる」

114キロを投げる女子小学生の濱嶋葵さん【写真:川村虎大】
114キロを投げる女子小学生の濱嶋葵さん【写真:川村虎大】

「体が動くうちは力になりたい、やりたいことをやらせてあげたい」

 結果はすぐに現れた。「打撃、投球ともに体がぶれなくなりました。投げた後に左足1本だけで立てるようになりましたし、体の軸がしっかりしてきたと思います」。球速は4年生で97キロ、6年生の現在は最速114キロを計測するまでに成長した。

 睡眠時間を削り、野球用品にはお金を惜しまない。その理由を問うと「成長が本当に嬉しいんですよね」と笑顔で語る。2年生で投手を任された当初、葵さんは制球が定まらず、1死も取れずにマウンドを降りたことがあった。それが今では、チームのエースで4番。女子選手として、史上初めてジャイアンツジュニアに選ばれるまでに成長した。

 娘が三振を奪う姿に「今まで助けてもらっていた先輩投手がピンチの時に、(葵さんが)マウンドを任されてビシッと抑えたとか、そういうエピソードを聞くのが嬉しい」と目を細める。

 葵さんは将来、女子高校球界の強豪で、今夏初めて甲子園球場で実施された「全国高校女子硬式野球選手権」決勝を制した神戸弘陵高(兵庫)への進学を希望している。さらに、高卒でプロの女子野球選手となるのが目標だ。「体が動くうちは力になりたいです。(神戸)弘陵に行きたいなら寮に入れますし、やりたいことをやらせてあげたい」。父は夢に向かって邁進する娘を、これからも全力でサポートするつもりだ。

(First-Pitch編集部)

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