128人中128番目での指名 鷹育成14位・仲田慶介、恐怖との戦いだった3時間
同じくプロ志望だったチームメート井上絢登は指名されず「井上には1番感謝している」
その中でも、仲田は1人の選手に名指しで感謝の気持ちを伝えた。その相手とは、同じくプロ志望届を提出していた井上絢登外野手。フルスイングが持ち味で“福大のギータ”と言われ、1年の頃からリーグ戦全試合に出場するなどチームを牽引してきたスラッガーだが、仲田とは対照的に最後まで名前を呼ばれることはなかった。
仲田と井上は同じ外野手で、大学1年の頃からずっと一緒に練習をしてきた。グラウンドを離れても、共にトレーニングするなど切磋琢磨してきた仲間だった。「井上には1番感謝している。来年一緒にプロになりたいからお互い頑張ろう」。野球部のチームメートたちの前で、指名の報告を行う中で仲田はこう感謝を伝えた。少し照れた様子だったという井上も「仲田がプロに行ったので、負けられない」と刺激を受けていた。
NPBからの指名がなかった井上は独立リーグに進むことを希望しており、1年後のNPB入りを目指す。ドラフト前と変わらず、共に次のステージへ向けてトレーニングを続ける。仲田は「これからも井上と一緒に練習します。練習メニューも大体同じなので。カップルとかいる中で、砂浜ダッシュもしていますよ(笑)」。ドラフトでは明暗が分かれてしまったが、2人の深い絆と先の目標はこれからも変わらない。
(上杉あずさ / Azusa Uesugi)