大切なのは“褒め方” レッド吉田さん流、子どもの「やる気スイッチ」の入れ方

前進と足踏みの繰り返し「感情的にならず、焦らないように」

 あとは、自主性が育つように運の「やる気スイッチ」が入るまで待つようにしています。例えば、練習できる時間が空いていても、こちらからは何も言いません。運が「練習してくる」、「一緒に練習しよう」と声をかけてくるのを待ちます。運は7月に腰を痛めて、その後に突き指をして、まともな練習が1か月くらいできない時期がありました。復帰してすぐの練習試合では当然、打てません。僕が「この1か月練習量が少なかったか?」と聞いたら、運はうなずきます。「どうしたらいい?」と続けると「練習した方がいいと思う」と答えます。その時に「よし、練習やるぞ」ではなく、「いつでも手伝うから言ってくれ」と伝えます。

 この間は寝る前に「パパ、朝練やるから」と言われたので「よし、付き合うよ」と喜んで返しました。「何時に起きる?」と聞いたら、運は「6時半だとダラダラするから、6時でいいと思うんだ」と言いました。翌朝、運は7時半まで寝ていました(笑)。起こさなかったですけどね。習慣はすぐに身に付かないので、歯磨きのように、やらないと気持ち悪くなるまで、前進と足踏みを繰り返しながら続けていくしかないですね。感情的にならず、焦らないようにしています。

 何が正解かは分かりませんが、それぞれの子どもに個性があり、親が一番分かっていると思います。そこをうまく生かして、やる気を出させます。周りからは過保護と言われるかもしれませんが、全く構いません。僕は正解だと思ってやっていて、責任を取る覚悟を持っています。100点満点の父親は、なかなかいないと思います。

○プロフィール
レッド吉田 1965年10月30日生まれ、京都府出身。名門・東山(京都)で1983年の夏の甲子園に出場する。ゴルゴ松本とともにお笑いコンビ・TIMを結成し、バラエティ番組で人気に。野球が大好きで、5児の父としても奮闘中。三男・運(めぐる)くんをプロ野球選手にするために立ち上げたYouTubeチャンネル「レッド吉田の野球子育て奮闘記~めぐる巨人への道~」を開設中。

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