最速130キロ台の41歳石川がオリ打線封じたワケ 燕OB「打者が戸惑うのも無理はない」
石川の特長は「ストレートで決めにいく時でさえ、力むことはない」
石川の球種は、スライダーとシンカーが球速120キロ前後。直球、カットボール、シュートが130キロ前後だ。「打者にしてみれば、同じ球速のボールが、逃げていくのか、食い込んでくるのか、はたまた真っすぐ来るのか、ギリギリまでわからないのです」。さらに時折100キロ前後のカーブまで混ぜる。
「ストレートで決めにいく時でさえ、力むことはないので、投球フォームからも球種は判別できない。制球さえ良ければ、普段見慣れていない打者が戸惑うのも無理はありません」と野口氏は言う。
プロ1年目の2002年から、大卒では史上最長となる20年連続勝利を継続中の石川。今季は4勝5敗、防御率3.07で、最長でも6回までしか投げたことがなく、最多投球数も96球止まりだった。それでも日本シリーズの大舞台で、最大限の投球を演じた。相手のオリックス先発・山崎颯は身長190センチの長身で、“身長23センチ差対決”も制した。
2015年に出場したソフトバンクとの日本シリーズでは2度先発して2敗を喫していたが、6年ぶりのチャンスをモノにしてシリーズ初勝利。チームにとっても値千金の白星となった。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)