やり方次第では「打てないまま」の危険性も… 打力を上げる“正しい素振り”とは
元プロ野球選手が語る意識は「コースや高さをイメージして」
日々のトレーニングで差をつけたい。そんな野球少年たちのためにFirst-Pitch編集部が様々な指導者さんの取材を通じて知ることができた練習方法を紹介します。今回のテーマは素振り。打力アップには欠かせませんが、ただ振るだけになっていませんか? 実戦的で正しい方法を身につけたいですね。
ある少年野球チームの小学6年生が「僕ね、毎日100回素振りしているんだ! でもね……あまりヒットが打てないんだ」と話しかけてきました。チームから「毎日100スイング」するよう課題を与えられている彼は、なぜ言われた通り素振りをしているのに、ヒットを打てないのか分かっていませんでした。
自分のスイングを見てほしいという要望を受け、目の前でバットを振ってもらったところ、打てない理由はすぐに分かりました。振り始めからバットのヘッドが下がり、スイングの軌道は波打ち、どのコースのどんなボールを意識して振っているのか分かりませんでした。試しにどこを振っているのか聞いてみたところ、「真ん中!」と返ってきましたが、明らかにバットは低めを通っていました。
数を振ることの指導はしていても、バットをどういう軌道で、どのコースや高さを振ることが必要なのかを指導している少年野球チームは少ないと思います。ある元プロ野球選手は「素振りをやる時は、自分がどういうスイングをしているかの確認も必要。コースや高さをイメージして、そこに来たボールにどんなスイングでアプローチするか考えながらやる」と話しています。数をこなして振る力を身に付けることも重要ですが、素振りのやり方次第では打てないままの可能性もあるのです。