中高時代は「毎日天気予報とにらめっこ」 “練習嫌い”が日本一のシニアを築くまで

「野球で出会った縁は1番の財産」

 徐々にトレーナーとしての仕事を増やし、高校球児を見ていくうち、監督から指導を頼まれる機会が増えていった。その縁もあり、32歳で取手リトルシニアを立ち上げた。

 振り返ると、野球が自分の人生を大きく動かしてきたことに気付いた。トレーナーを志したきっかけはボールが投げられなくなったから。思えば、「使わない」と宣言した持丸監督も、大学進学や、トレーナー活動を始めたとき、そして今現在でも、様々な場面で支えてもらっていた。

「野球で出会った縁に窮屈さがなかったんですよね」

 取手シニアは創設4年目の2011年に全国選抜大会を初制覇。今年3月に2度目の優勝を飾った。プロ野球選手も輩出する名門シニアになったが、目指しているのは選手に長く野球を続けてもらうこと。野球で得た“球縁”を、選手も大切にしてほしいと強く願う。

「球縁は、高校で野球を辞めるのと大学、社会人まで続けるのとでは広がりが違います。150キロを投げられても社会では役に立ちませんが、野球で出会った縁は1番の財産になります」

 選手寿命を伸ばすため、トレーナーとして培った知識で怪我を予防する他、将来的に活躍できるポジションでプレーさせるなど、大学や社会人での野球を見据えた指導をする石崎氏。その根底には、自らを正してくれた野球への恩返しがある。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

少年野球指導の「今」を知りたい 指導者や保護者に役立つ情報は「First-Pitch」へ

 球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。

■「First-Pitch」のURLはこちら
https://first-pitch.jp/

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY