野球人口増加への糸口に? ボール1個でできる男女混合5人制「Baseball5」とは
空振りもファウルもアウト、投手と捕手なし
全日本野球協会(BFJ)と日本ソフトボール(JSA)が今年11月に共同で「Baseball5 JAPAN」を立ち上げ、新競技の国内普及に乗り出している。Baseball5は世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が野球・ソフトボール普及の糸口にと考案。右打者であれば、左手でゴムボールをトスし、右手の拳もしくは手のひらで打つ。呼び名や細かいルールは地域によって様々だが、子どもの頃に興じたことがある遊びのよう。関係者によるとこの競技は、特に日本で流行する可能性を秘めているという。
今月14日には都内で報道陣を対象とした試合形式の体験会が催され、白熱した。基本的なルールは野球・ソフトボールと同じ。男女混合の5人制で、男性3人と女性2人、もしくは男性2人と女性3人の組み合わせで行う。塁間はわずか13メートル(野球は27.431メートル)。両翼は18メートルしかなく、フェンスの高さは1メートルが標準だ。守備側は一塁手、二塁手、三塁手、遊撃手、二塁ベース付近を守るミッドフィルダーで、投手と捕手はいない。
女子野球「埼玉西武ライオンズ・レディース」の内野手でBaseball5公認インストラクターの六角彩子さんは「野球で言えばマウンドからホームベースまでの距離(18.44メートル)が両翼にあたり、非常に狭いスペースで行うことができる。それに、ボール1個があれば行えることが特長です」と説明する。グラブ、バット、スパイク、ヘルメット……野球やソフトボールには必要な用具が多く、揃えるのにコストがかかる。Baseball5はそのネックを解消。野球やソフトボールに親しむきっかけとなることが期待されている。
試合は5イニング制。打球がノーバウンドでフェンスを越えるか、直撃した場合はアウト。空振り、ファウルも1発でアウト。さらにゴロが守っている野手の誰にも触れず、しかもフェンスに触れずに静止した場合もアウトとなる。つまり打球は飛び過ぎても弱すぎてもいけない。イニング数も少ないため、試合時間はたいてい15~20分。野球は申告敬遠を導入するなど“試合時間短縮”の課題を持つが、Baseball5には最初から無縁だ。