DeNA“守護神”候補が合同自主トレする理由 最大の課題克服へ「正々堂々争う」
リリーフだけの自主トレーニング、競争と結束でリベンジへ
三浦監督就任1年目の昨年、屈辱の最下位に沈んだDeNAは“勝利の方程式”の再構築が最重要課題だ。開幕からクローザーを務めた三嶋は、59試合3勝5敗23セーブ、防御率4.08で、9月中旬からセットアッパーに配置転換された。特に巨人には、開幕戦で亀井にサヨナラ弾を浴びたのをはじめ、対戦防御率11.17と散々だった。
一方、2018年と2019年に2年連続で最多セーブのタイトルを獲得した山崎は、一昨年が防御率5.68の大不振。昨季途中、三嶋に代わって守護神に復帰した時期もあったが、9月下旬に3試合連続失点するなど本格的な復活とはいかなかった。
伸びしろを感じさせるのが、今年プロ3年目を迎える伊勢。昨年は10月に2度セーブ機会で起用され、いずれも失敗に終わったが、右サイドスローから繰り出す150キロ超の速球は威力十分だ。本人も今オフは、クローザーの座奪取に意欲を示している。
ちなみに、石田は先発もこなせるユーティリティ左腕だが、昨季は1軍登板33試合中32試合が中継ぎ。一昨年は全50試合が救援だった。国吉は昨年6月に有吉との交換トレードでロッテへ移籍すると、25試合17ホールド、防御率1.44。セットアッパーの役割をこなし、DeNA在籍時以上の存在感を放った。
チーム内での競争が激しくなるほど、活性化する」と山崎は言う。確かにその通りだが、一方で、DeNAの救援陣の結束が固いのも事実。昨季伊勢が抑えに失敗した時には、山崎、三嶋、さらに同じリリーバーのエスコバーまで声をかけ、若手の精神面をケアしたという。今季のクローザーの座は、現時点で白紙。ベイ救援陣は競争と結束を深めながら、“リベンジ”につなげることができるか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)