「じゃんけんで決めてもいいかな」新庄監督を悩ませる日本ハムの定位置争い
西川、大田を放出しポジションを「空けた」外野はどうなる
○三塁手
3年目の野村佑希が守ったケースが97試合に達した。打率.267、7本塁打と強打が魅力だが、リーグ最多の16失策と守備が課題。出場試合数2位は53試合の谷内亮太で、こちらは無失策で通したものの打率.179と主に出番は守備固め。英才教育のような起用が続いてきた野村の定位置が盤石かといえば決してそうではなく、二遊間の争いから漏れた選手が回ってくることもあるだろう。また、昨季ゴールデングラブ賞を獲得した宗(オリックス)のように、アッと驚くコンバートもあるか。
○外野手
昨季124試合で守った西川遥輝、一昨年まで4年連続で2桁本塁打した大田泰示という主力を放出し、ポジションを空けた形となっている。新戦力の台頭で埋めるしかない。5年連続で4割超えの高い出塁率を誇り、昨季は自己新の11本塁打した近藤健介は、両翼か指名打者に入って来るだろうが、それ以外は激しい競争だ。昨季116試合で守った淺間大基、負傷で出場こそ27試合にとどまったものの、9盗塁を記録した五十幡亮汰、2軍で打率.280、17本塁打の強打を見せた万波中正らは魅力たっぷりだ。
ここに両打ちで内外野を守れるアリスメンディ・アルカンタラ、大リーグでシーズン31発の実績があるレナート・ヌニエスが加わる。全員横一線のスタートを強調する新庄監督は、今季を「テスト」だと言う。「今年は皆チャンスですよ。来年はガチガチで行くから。ちょっと(定位置を)つかんだらすぐ億ですよ」。しっかり相手を見ながらの競争は選手の成長を生む。名前のある選手がいるとは言えない。その分アッと驚く伸びを見せれば、誰もがレギュラーだ。