ロッテ荻野、36歳で最多安打&盗塁王の2冠 故障続きだった韋駄天の変化とは?

ロッテ・荻野貴司の年度別指標【画像:パ・リーグ インサイト】
ロッテ・荻野貴司の年度別指標【画像:パ・リーグ インサイト】

元々は三振も四球も少ないタイプだったが、近年はより指標が良化

 続いて、これまでに記録した各種の指標についても確認しよう。

 2018年までの9年間で出塁率.350を超えたのは2度と、かつてはそれほど四球を選ぶタイプではなかった。しかし、2019年以降は出塁率が3年連続で.367を上回り、四球率も直近の2年間は.800を超える水準に。IsoDも2年続けて.070以上と、リードオフマンとしての適性が高まりつつある。

 また、特徴として四球は多くないが三振も少ない、いわゆる早打ちの選手でもある。現在に至るまでその傾向は続いており、三振率は12シーズン中7度にわたって10%未満と、かなり優れた水準にある。俊足で相手守備にプレッシャーをかけられる存在でもあるため、三振の少なさは、選手としての適性にもマッチしていると考えられる。

 先述した三振も四球も少ないという特性はBB/Kにも影響しており、BB/Kが1.00を超える、すなわち三振数を四球数が上回った年も3度存在。そんな中でも、近年は四球が増加したこともあり、3年続けて.710以上とBB/Kが向上している。こうした点からも、打者としての成熟ぶりがうかがえる。

 加えて、バットを短く持つスタイルながら、2019年と2021年に2桁本塁打を記録するなど、長打力も増しつつある。出塁率に加えて長打率も上がったことにより、打者としての能力を示す指標となるOPSも良化。2015年から2017年までは3年連続でOPSが.600台だったが、2019年以降は3年連続で.750を超え、規定打席に到達した2019年と2021年は、いずれも.800前後の数字を記録している。

かつては圧倒的な盗塁成功率を誇っていたが

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