巨人OBも絶賛の守備を見せる強豪シニア主将 中2ながら夢は「地元への恩返し」

昨年は下級生で唯一人レギュラーとして遊撃を守った

 原田監督の下で、技術、精神力ともに伸ばしていった。日々の努力も欠かさず、自ら5キロのランニングを取り入れる。ロックバンド「Mrs. GREEN APPLE」の「点描の唄」を聴きながら走るのがルーティンだ。食事も多い時は1回でご飯3合とおかずを食べる。「体が小さいのでその分意識しています」と“食トレ”も取り入れた。すると、中学2年で下級生では唯一のレギュラーとして遊撃を守り、今年から主将に任命された。

 将来の夢は「スポーツの仕事に携わること」。プロ野球選手は夢の1つではあるが、厳しい道のりというのも理解している。その中で、自分がやってきた野球という経験を生かせる仕事に就きたいという夢がある。その夢には続きがある。

「友部に恩返しがしたいんです」

 2006年に笠間市と合併吸収され、現在はなくなってしまった友部町。水戸市出身の矢渡は、直接の縁はなかったが、2年間友部という看板を背負ってプレーし、感謝の気持ちが強くなった。

「監督さん、先輩方、地域の人…様々な方に支えられてここまで来たので。将来どんな仕事に就いても、何かこのチームや町に携われたらいいなって思っています」

 OBの巨人・高橋も、オフシーズンに友部シニアで野球指導を行っている。先輩の背中を追い、矢渡も大きく羽ばたき、また友部に戻ってくることを誓った。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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