兄は巨人の現役バリバリ左腕 元プロの監督も「襟を正される」と絶賛の中学生捕手

友部リトルシニア・高橋俊士【写真:川村虎大】
友部リトルシニア・高橋俊士【写真:川村虎大】

巨人の高橋優貴投手を兄に持つ友部シニアの高橋俊士捕手

 全国大会に6度出場し、巨人・高橋優貴投手や甲子園球児を多数輩出している友部リトルシニアにハイレベルな選手がいる。巨人OBの原田明広監督が「驚かされた」と評するのは、高橋優貴の弟・俊士(すぐる)捕手だ。

 ボールの握り替えが早く、小さなフォロースルーで二塁へ矢のような送球を投じる。原田監督は「肩もいいし、投手への配球も上手い。頭いいんですよ」と凄さを語る。中でも驚かされたのは、選手に課している野球ノートに記された内容。「1年前に書いたことを覚えているんですよ。こっちが間違ったことを言わないようにって襟を正されますよ」。俊士の野球ノートには、技術や考え方などがびっしりと書かれている。

 11学年離れた兄の影響で「気付いた時には野球を始めていました」と俊士。兄が所属していた勝田野球スポーツ少年団に小学1年生で入団。6年生の時に友部シニアの体験会に参加した。「3年生の先輩が人間的にもプレーもかっこよくて。先輩みたいになりたいと思いました」。当時の3年生には、今秋のドラフト候補にも挙がる東海大菅生の鈴木泰成投手や、選抜出場を決めた二松学舎大付の主砲・瀬谷大夢外野手らがいた。全国大会にも出場したメンバーの姿勢に憧れを抱いた。

 小学校時代は様々なポジションを守ったが、中学に入ると捕手と外野手がメーンに。原田監督は「投手をやらせてもよい」とその能力を評価するが、チーム事情などもあり捕手を務める機会が多くなった。すると、ブロッキングや捕球技術も向上。元々肩が強かったこともあり、扇の要としてチームを支える存在になった。

 将来の夢は、2018年に巨人にドラフト1位指名され、昨季は11勝を挙げた兄と同じプロ野球選手になること。その思いは日に日に強くなっている。「いずれ入る友部シニアの後輩たちが憧れて自分を目指してプレーするような選手になりたいです」と語る。そのためにも武器が必要だと考えている。「圧倒的な技術が今はまだない。その中で、自分が戦うには頭を使うことが必要だと考えています」。身長は150センチ台と小柄ながらセンスは十分。今後、どのような成長を遂げるのか楽しみだ。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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