「硬式は肩身が狭い」 五輪でグラウンド消滅、松坂大輔を生んだ江戸川南シニアの今

子どもと水平の関係で接する「おじいちゃんが孫と遊んでいるようなもの」

 今の子たちは、皆が皆、甲子園に行きたい、プロになりたいってこともないんですよ。子ども達が野球に求めるものが変わってくれば、当然、指導法も変えていかなきゃいけない。

 今は子ども達の自主性に任せる指導をしています。自主性っていっても、ほったらかしにして好きなようにやらせてるわけじゃないですよ。子ども達は皆、野球がやりたくて入部してきたのに、いつの間にかやらされているようになっちゃうでしょう。その部分をなくしていく。そういう意味での自主性です。やらされていると思えば、練習をキツいと感じたり、不満に思ったりするでしょうからね。

 子ども達とは監督、選手という上下の関係じゃなくてね、水平の関係で接するように心がけています。もちろんメリハリは必要ですから、厳しくいくときはガツンといきますよ。冬の練習では相撲を取ったりするんですけど、本気で投げ飛ばしてやりますからね。おじいちゃんが孫と遊んでいるようなものですよ。(笑)

○有安信吾(ありやす・しんご) 1941年、東京都葛飾区出身。江戸川リトルシニアでコーチとして少年野球指導を始め、1984年に江戸川南リトルシニアを創設し総監督に就任。全日本選手権大会優勝3回、全国選抜大会優勝4回、リトルリーグ・ワールドシリーズに2回出場し、2010年には世界一となった。教え子に松坂大輔、小谷野栄一など多数のプロ野球選手がいる。

(石川哲也 / Tetsuya Ishikawa)

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