「韓国でも悩んでいる子が多かった」 中日で若手投手の“お悩み相談会”開催の意図

中日・落合英二ヘッド兼投手コーチ【写真:荒川祐史】
中日・落合英二ヘッド兼投手コーチ【写真:荒川祐史】

高卒2年目の高橋宏斗は終了後に“おかわり質問”も

 落合ヘッドは「そんなのボールを変えれば終わるんじゃないかというくらいのレベルのことで悩んでいた」と苦笑いしたが、質問の“質”が問題なのではない。大事なのは、素直な思いを聞き出すこと。「選手はどんなことで悩んでいるか分からない」と言う。

 天然ぶりを発揮してしまった高橋宏だが、相談会終了後には個別で“おかわり質問”もぶつけた。登板日は朝からどう調整してプレーボールを迎えるべきか考えていたといい「聞けて良かったです。納得する言葉をもらえました」とすっきりした表情だった。

 お悩み相談会は、落合ヘッドが韓国・サムスンで投手コーチを務めていたころから取り入れてきた手法だという。「韓国でもすごく悩んでいる子が多かったので、日本に戻っても一緒だなと思っていました」。中には、抱え込んでドツボにハマる選手もいる。「(気兼ねなく話せる)雰囲気を作るのが難しいんですけど、いい時間だったと思います」と頷いた。

 昨季はリーグ屈指の安定感を誇った投手陣だが、立浪和義監督は「もう一度整備する」と宣言。真の投手王国復活には、実力を出し切れていない若手の覚醒や、育成の台頭も欠かせない。ひとりで悩み抜いて答えを出すのも時には大切だが、困ったときの“駆け込み寺”は拠り所になる。心の距離は、“密”にしておきたい。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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