崖っぷち男の覚醒、楽天・田中和が2戦3発でキャンプ“MVP” 定位置奪える強みとは

バックスクリーン直撃弾を放った楽天・田中和基【写真:宮脇広久】
バックスクリーン直撃弾を放った楽天・田中和基【写真:宮脇広久】

藤浪からスコアボード破壊弾「弁償、弁償と言われた」

 プロ6年目の楽天・田中和基外野手が19日、阪神との練習試合で秋山、藤浪から計2本塁打。石井一久監督からは、この日打ち上げた沖縄・金武キャンプのMVPに名前を挙げられた。2年目の2018年に新人王を獲得したものの、その後は不本意なシーズンが続いている。“崖っぷち”で覚醒したか。両打ちを売り物に、厳しいレギュラー争いを勝ち抜く覚悟だ。

 飛距離が違う。2回先頭で迎えた第1打席では、阪神先発の秋山のフォークをすくい上げ、右中間芝生席後方の防球ネットを直撃。4回先頭での第2打席は、藤浪の151キロの速球を一閃。打球は中堅バックスクリーン上方のスコアボードを直撃し、2打席連続ソロとなった。この一撃で楽天側のスコア部分が壊れ、表示不能に。「周りから『弁償、弁償』と言われたので、早く直ってくれと思っていました」と苦笑いだ。

 17日のヤクルトとの練習試合でも、木澤から左中間へソロを放っており、ここ2試合で3本塁打を量産している。石井監督は「(田中)和基は今年やらないといけない選手」と危機感をあおった上で、キャンプMVPに「(和田)恋と和基かな」と名前を挙げた。指揮官は「凡打の時にも、しっかりボールを見る形ができている」と打撃面の成長を高く評価している。

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