「子どもたちにやらせてみよう」プロの名手が繰り返す“地味な練習”の意味とは?
藤田一也の基礎練習動画に「今度、部活でやろう」との声も
昨年オフに楽天から戦力外通告を受け、古巣のDeNAに加入した藤田一也内野手の守備練習動画がオフに話題となった。球団公式ツイッターが公開したもので、地道な反復練習なのだが「ずっと見ていられる」「上手い人は基礎が映える」といった声が寄せられるなど、再生回数はなんと約4万4000回、いいねは約2200件を超えている。「見習いましょう」「子どもたちにやらせてみよう」「今度、部活でやろう」というコメントも届いたこの基礎練習。子どももできそうだが、狙いは一体どこにあるのだろうか。
2人1組で低い姿勢のまま相手が転がすボールを捕る、左右交互リズミカルに逆シングルで捕球する、片足でバランスを取りながら転がってくるボールを捕る、トスされた2球のボールを左右の手で同時に1球ずつ捕る──。ゴールデングラブ賞を3度受賞した18年目のベテランは、この動きを鍛え抜かれた体幹を武器にぶれることなく行っている。
ヤクルトやソフトバンクでコーチを歴任した野球解説者の飯田哲也氏は「ゴロを捕る際の体勢、顔の位置の確認という意味合いもありますが、この練習の最大の目的は下半身強化です」と語る。守備で低い姿勢のまま機敏に動くには、まず柔軟で強靭な下半身づくりが欠かせない。
2つのボールを同時に捕る練習については「試合でこういう状況はありえませんが、視野を広げる練習になると思います」。小・中学生にもすぐに行える練習だが、単調で飽きやすいともいえる。数多くのメニューを組み合わせ、得られる効果を意識しながら、できるだけ積極的に取り組みたい。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
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