野球人口回復へ、少年からプロまで一体に 画期的な「競技者登録システム」導入へ
正確な野球人口や推移、野球歴を把握して普及や振興に活用
時に“国技”とも言われる野球だが、競技人口の減少は大きな課題となっている。対策を講じる際にハードルの1つとなっているのが、少年野球からプロ野球まで幅広いカテゴリーの組織がそれぞれに活動していること。野球界全体の現状を正確に把握し、効果的な策を打つために導入されたのが「競技者登録システム」だ。
歴史があり、各団体や組織が単独でも活動できたために野球は他競技から後れを取った。サッカーやバスケットなどでは既に一般的になっている「競技者登録システム」が、野球界にも導入された。少年野球にはじまり、中学や高校、社会人やプロまで老若男女、チームに所属している選手を一括管理するシステムだ。
現在どのチームに所属しているのか、いつまでどんなチームで野球を続けているかなど、選手個人の野球歴が分かる。今年からテスト導入する全日本軟式野球連盟の小林三郎専務理事は、新システムへの期待を口にする。
「全ての選手に登録してもらえば、正確な野球人口、推移を把握できます。軟式から硬式に移行する選手、大学や社会人まで野球を続ける選手などを知ることで、野球振興や活動、指導者講習など幅広い活動に生かせると思います」
各カテゴリーや組織で濃淡はあるものの、これまでも選手登録や野球人口拡大を目指す取り組みは実施されていた。ただ、それぞれの活動成果や課題が共有されない問題があったという。小林氏は「各組織がバラバラでした。このままでは大変なことになると野球界全体で認識し、一体感を持って取り組んでいこうという気持ちの表れと言えます」と新システム導入の背景を語る。