強豪ボーイズの厳しい“保護者のルール” 見学や写真撮影禁止でなぜ選手が集まる?

厳しいルールは保護者を守ることに繋がる「無理したらそれが負担になる」

 写真撮影や声出し応援禁止の理由も同様だ。「子どもの写真の数や指導の差が出てしまうので」。もちろん、純粋な応援は嬉しい。一方で、保護者が言いすぎることにより、親を見てプレーする子どもが出てくる懸念がある。実際に保護者の過干渉が問題になっているチームも多い。そのため、江戸崎ボーイズではチーム広報が全員分の写真を撮影し、ホームページに公開。保護者は自由に使用することができる。

 一見、厳しく感じるこれらのルールは過干渉を防ぐだけでなく、保護者自身を守ることにもなると渋谷監督は考える。親の格差や溝が生まれるほか、「せっかく休みなのに、無理して参加したらそれが負担になってしまうじゃないですか」と保護者の気持ちを汲み取る。

 保護者に必要以上の干渉を求めない代わりに、責任も大きいことは理解している。「ルールを設けているので、野球も進学も成績を求めなくてはいけない」。練習以外にも地元の学習塾と連携し、雨天で練習ができない日はバスで学習塾に行く“勉強日”も設けている。

 厳しい“保護者ルール”の江戸崎ボーイズに子どもを任せるのは、渋谷監督の責任と覚悟があるからだ。「自分で判断、決断出来る人間になってほしいですからね」と子どもたちの成長を柔らかな表情で見守る。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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