「ああいう見逃し方をされるのが嫌」 DeNA三浦監督も唸る2年目・牧秀悟の“風格”
4番で積み上げた実績 昨季も15試合で打率.517
4番について「去年の終盤は“試されている”感じがしていた」と言う。今年は「監督さんに任された打順。チャンスで回ってくることが多いので、1点を取れる打撃をしていきたい」と意気に感じている。昨季はオースティンが離脱した10月6日以降、15試合で4番を打ち、4番での打率は.517(58打数30安打)を誇った。三浦大輔監督は「去年も4番でしっかり結果を残してくれていますから、(今季4番の)イメージはあります」とうなずいた。
「4番にはでんと構えていてほしい。牧にも風格は十分ある」と三浦監督は続ける。確かに昔から、球界を代表する打者が際どいコースを見逃した場合、「これだけの大打者が見逃したのだから」という先入観からボールと判定されがちとも言われ、メディアやファンの間では「長嶋ボール」、「王ボール」といった言葉がささやかれてきた。牧にはプロ2年目にして、早くもそんな風格が漂っている。
「牧は常に打ちにいく中で見逃している。バットがよく止まる」と三浦監督。「僕は現役時代に投手として、ああいう見逃し方をされるのが嫌だった。ボールを手元まで引きつけた上で見極められている感じがして……」と“投手目線”でその脅威を語る。
チームは沖縄・宜野湾キャンプ中から、走塁、進塁打などの意識を高め“つなぐ野球”への転換をはかっている。戦術を機能させる上では、4番も固定が望ましい。「今年はチームがガラッと変わる中で、この打順を意識しながら、それでいて自分の打撃は崩さずにやっていきたい」と話す牧なら、三浦監督が求めるものに“満点”で応えてくれそうだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)