中学で硬式に取り組む利点とは 高校野球に進んだ際のアドバンテージを検証
硬式と軟式球では指の掛かり、打球の跳ね方や打感が異なるという
高校の硬式野球部で活躍するために、中学では硬式と軟式どちらを選択すればいいのだろう? そんな悩みを抱く野球少年少女のために、First-Pitch編集部が様々な取材を通して知ることができた“中学硬式”のメリットを紹介します。
「硬式か軟式か……」。この選択に明確な答えはありませんが、高校野球でスタートダッシュを決めたいのなら硬式に軍配が上がります。投手として高校の硬式野球部に入部した場合、ボールが変わらないことは大きなアドバンテージです。9つのポジションの中で特に繊細とされる投手の場合、指の「掛かり」が変わると、思ったように変化球を投げられなくなることがあります。軟式では投げられていた変化球が、硬式で投げられなくなったという話はしばしば聞きます。中学で硬式を経験していれば、違和感なく高校野球に入っていけるでしょう。
野手も同様です。硬式球と軟式球では打球が違います。バウンドの高さやスピードは全くの別物で「慣れるまで苦労した」と話す中学軟式出身者もいます。硬式を経験していれば、速度の違いはあっても打球の動きを読めないといった心配はほとんどないでしょう。
打撃でもメリットはあります。高校硬式用バットは、長さや重さを除けば中学硬式用とほとんど変わりません。一方、軟式用はカーボンやゴム製のものもあり、質感や重量に大きな違いがあります。打感やボールを飛ばすイメージにも多少の違いが出るので、そこに戸惑う選手もいます。変化球の曲がり方も異なるので、中学で硬式を経験した選手はスタートダッシュが非常に切りやすいといえるでしょう。
だからといってレギュラーが確約されるわけではありません。中学時代に軟式野球に取り組んだプロ野球選手もかなりいます。中学で硬式を選ぶことは、あくまで高校野球を見据えた選択肢の一つです。周りの人たちの助言も参考にしながら、自分の納得いく選択をしてみてください。
球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。
■「First-Pitch」のURLはこちら
https://first-pitch.jp/