巨人の「55」を背負った172cmの小学6年生 衝撃の3本塁打だけではない凄さ
落合氏の本でルーティンの重要性を認識、自らも確立させジュニアトーナメントで3本塁打
努力が結果につながった出来事があった。12球団ジュニアトーナメント当日、「朝ごはんも食べられませんでした」と、極度の緊張に襲われた。普段はおかわりを欠かさず、おやつに白米、チャーハンを食べるほどご飯が大好きだった。しかし、プロも使う神宮球場に、巨人のユニホーム。憧れていた舞台にいざ立つことを想像すると、緊張で大好きなご飯が喉を通らなかった。
“ガッチガチ”だった入江くんの緊張をほぐしたのは、自ら勉強し、編み出した準備だ。3冠王を3回獲得した落合博満氏の「バッティングの理屈」という本を読み、ルーティンの大切さを学んだ。本だけでは分からなかったため、ジャイアンツジュニアの北之園隆生コーチに自ら相談。ネクストバッターサークルで2回全力スイングし、打席でバットを立てて大きな声を出すルーティンを確立させる。「試合中はあまり緊張せずにできました」と効果は抜群だった。3試合で打率.545(11打数6安打)、3本塁打、10打点の大活躍で、3位入賞に貢献した。
今年からは中学生になり、兄も所属する硬式野球の東京・世田谷西シニアへの入団が決まっている。対応するため、硬球でノックもキャッチボールも取り組む。打撃との向き合い方も変わり「よりコンタクトできるように」と確実性に取り組むようになった。
それでも、本塁打は入江くんの“原点”だ。等々力球場(神奈川・川崎市)、茅ヶ崎球場(神奈川・茅ヶ崎市)のスタンドまでは運んだことはあるが、プロの球場では今だ経験がない。「神宮球場で打てなかったので、中学の3年間でプロの球場に入れてみたい。そして将来は侍ジャパンで4番を務めたい。ポジションは三塁です」。夢は膨らむばかりだ。