ロッテ井口監督が語る「優勝」への決意 就任5年目シーズンは「楽しみでしかない」

ロッテ・松川虎生【写真:福谷佑介】
ロッテ・松川虎生【写真:福谷佑介】

指揮官の目に留まったベテラン美馬とルーキー松川のバッテリー

 仙台で迎える楽天との開幕戦には、石川歩が先発マウンドに上がります。開幕戦は143試合のうちの1試合ではありますが、やはり特別な日。経験のあるベテランに任せるのが一番だと思い、開幕投手に指名しました。

 石川とバッテリーを組むのはルーキーの松川です。投手の良さを引き出すリードが上手く、投手の調子が悪い時に最少失点で切り抜けるための引き出しがかなり多い。オープン戦でマスクを被った試合は大量失点がなく、防御率は1点台。リードのテンポもよく、今のところブロッキングも問題なし。僕がプロ入りした時、ホークスで武田(一浩)さんや工藤(公康)さんが城島(健司)とバッテリーを組んでいたように、石川や美馬(学)と組んで勉強してもらいたいと思っています。

 松川は学習能力が高く、投手とのコミュニケーションにも長けている。その中で1つ興味深かったのは、3月21日の中日とのオープン戦で松川と組んだ美馬が、サインにほとんど首を振っていなかったことです。美馬は5回を投げて味方の失策による1失点のみ。彼が首を振らないのは珍しい。何か意図があって首を振らなかったのか、松川の配球が思い通りだったのか。これから築く関係性が楽しみです。

 今年はマリーンズ優勝を予想する声が多いと聞きました。そう言ってたいだけるのは有難いことです。2年連続で2位となり、「なんだか分からないけどロッテが手強いぞ」と感じてもらえているのでしょう。隙のない野球をやっていこうというチームカラーが浸透し、ヒットやホームランが出なくても点を取れる野球に、選手たちも魅力を感じてくれている。足を絡めながら1つ先の塁を狙う野球こそ、相手にとっては一番プレッシャーがかかるもの。今年もカラーを生かした野球を見せられたらと思います。

 開幕を控え、今はワクワクする気持ちで溢れています。チーム全体はもちろん、選手一人ひとりがどのくらい活躍してくれるのか、楽しみでしかありません。我々にとっても、ファンの皆さんにとっても目標は、チームスローガン通り「頂点を、つかむ。」こと。ファンの皆さんには球場を満員に埋め尽くし、我々と1つになって1年間一緒に戦っていただきたいと思います。頂点をつかみましょう!

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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