全国準Vも「勝てたんじゃないかって」 女子野球屈指の右腕が新球習得で目指す頂点

女子硬式野球「ZENKO BEAMS」で主将を務める田中露朝(あきの)【写真:原田健太】
女子硬式野球「ZENKO BEAMS」で主将を務める田中露朝(あきの)【写真:原田健太】

全日本女子硬式クラブ選手権準Vも「悔しいですよ。勝てたんじゃないかって」

 新生チームで目指すのは、女子野球クラブ日本一を決める全日本女子硬式クラブ野球選手権での優勝だ。昨年は決勝までコマを進めたが、6-9でエイジェックに敗れて準優勝に終わった。「まさかの準優勝でした。いつも勝てないチームに勝ってしまったり、ラッキーが続いて」と謙遜するが、そこは勝負の世界に身を置く人物。たまたま勝ち進んだはずの決勝でも、負けたことは素直に悔しかった。

「悔しいですよ。勝てたんじゃないかって今でも思いますし、先発した自分にもっと体力や技術があれば全部投げ切れたかもしれないと後悔はあります。だからこそ、今年は優勝を目指して頑張りたいと思います」

 主将を任されてはいるが「私は先頭に立って引っ張るタイプではない」という。選手ひとりひとりとコミュニケーションを図りながらチームをまとめていくのが田中露朝スタイル。守備から攻撃の流れを生み出す「打たせて取る」新たな投球スタイルは、その象徴となりそうだ。

 田中自身にとっても、チームにとっても、新球カーブが1つのカギとなるだろう。日々磨きを掛けるカーブは「結構まとまってきているので、実戦で使いながら精度をあげていきたい」と手応えあり。同時に「しっかりとモノにして監督に褒められたいなと、実はこっそり思っています」と茶目っ気たっぷりに笑う。

 仕事と野球を両立させながら歩む女子野球クラブ日本一への道。思い切って挑む新投球スタイルでチームをまとめ、頂点を掴んだ暁には、監督も最大級の賛辞をもって褒めてくれるに違いない。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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