未来の山田哲人、村上宗隆を「育成」へ ヤクルトアカデミーが子どもたちと叶える夢

「体験イベント」は約1500人が集まり大盛況となった

 2月23日には神宮球場で「アカデミー体験イベント」を実施。付き添いの親なども含めて約1500人が集まる盛況ぶりだった。度会氏がバットを持って打撃を、村中氏が投球を実践。「飛ばすように、打てるようになれば楽しいと思う」という言葉通り、“プロの技”を見た子どもたちは歓声を上げ目を輝かせた。

 度会氏が掲げるのは「野球を楽しんで好きになってもらう」こと。だから指導方針も「楽しみながら野球を教えていってあげたい」という。「楽しくなければ続かない。つまらないと思ったら辞めてしまうと思います。だから“中学に行ってもやりたいな”と思ってもらえたら」と願った。

 度会氏は球団広報となった2013年頃、都内の小学校を訪問して正しいボールの投げ方を伝授する「投げ方教室」を始めた。これは社会貢献活動の一環として、現在も行われている。2018年からは4年連続でスワローズジュニアの監督を務め、2019、20年に連覇を達成した。「子どもたちが一生懸命やっている姿を見るのは好きだし、可愛いですよね」と目を細める度会氏は、すっかりアカデミー“ヘッドコーチ”の姿だ。

 子どもたちが野球を好きになり、中学以降も続けた先には、ヤクルトアカデミー出身の燕戦士誕生の夢も描く。次世代の山田哲人、村上宗隆育成へ「最終的にはプロ野球選手、山田や村上のような選手を目指してもらいたい」と見据えた。

 昨年、チームは2001年以来20年ぶりの日本一に輝き、これ以上ないタイミングでの船出となる。未来の“スター”育成へ、度会氏が「楽しく」新プロジェクトを牽引していく。

(町田利衣 / Rie Machida)

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