答え見つからず戦力外「楽しくなかった」 3年後に北九州で見つけた“ワクワク”
琉球で待っていたかけがえのない出会い「野球を教えてもらった」
琉球で過ごした2シーズンはお世辞にも落ち着いた環境とは言えなかったが、大河にとってはかけがえのない出会いがあった。それが元ソフトバンク、中日で現社会人・ショウワコーポレーション監督の亀澤恭平と、元ソフトバンク、ロッテの李杜軒との出会いだ。
「琉球でお世話になったのが亀澤さんと李さん。野球を教えてもらいました。とにかく守備・走塁・打撃についてずっと話をしていましたね。ベイスターズでもいろいろな方と話をさせてもらったけど、頭にあるイメージが体の動きとして上手く表現できず、どうしようどうしようとハマっていった感じ。それが琉球では頭と体がマッチして、目指すべき方向が自分の中ではっきり見えました」
視界が開けた様子は数字にも表れた。琉球2年目の昨季は8月まで37試合に出場し、打率は3割ちょうどで12盗塁をマーク。茨城でも8試合で4打点を挙げ、盗塁も2つ決めた。この時、走攻守で躍動する大河の姿に光るものを見たのが、当時栃木ゴールデンブレーブスでプレーしていた西岡剛だ。シーズン終了後、琉球を退団した大河の元に西岡から連絡が入った。
「西岡さんから連絡をいただいて、北九州で兼任監督をする方向で考えているから、新チームのトライアウトを受けにきてほしい、と誘っていただきました。ただ、12球団合同トライアウトを受けるので、その返事待ちでもいいですか、と」
11月3日に行われた北九州のトライアウトには合格したが、最終的な返事は保留。12月には12球団合同トライアウトに2度目の参加をし、6打席で1安打を含む3出塁、2盗塁の結果を残したが、NPB球団から連絡はなかった。野球を辞めるつもりはないし、正直なところ西岡の誘いに心惹かれてもいた。
「声を掛けていただき、うれしかったですね。求められる場所にいくのが一番いいし、プロの世界であれだけ活躍した西岡さんの元でいろいろなことが吸収できるんじゃないかと思い、入団させてもらうことにしました」