「腰を回せ」「肘を締めろ」はもう古い 元巨人捕手“目からうろこ”の打撃指導
NPBでもコーチとして多くの選手を見てきた
佐野さんは横浜や巨人で指導者の経験もある。横浜時代は谷繁元信氏(元中日監督)と出会い、コーチとして選手を辛抱強く、見守ることを学んだ。子どもたちの指導にもつながっていることもあるという。
「谷繁くんと僕が出会ったのは33歳か34歳の時だったかな。当時の大洋の須藤豊監督が、どんなことがあっても使うと腹をくくってくれていたから、鍛えることができたんだ。ミスをしても『谷繁でいく』と。いいものを持っていても、試合で経験をしないと何にもならないからね」
もちろん、“控え”で学ぶことも多い。現役時代の佐野さんは常時、試合に出場していた選手ではなかったが、子どもたちにはまず試合に出ることの楽しさ、喜びを感じてほしいと思っている。控えとしての“居場所”はまだ先でいい。
「控え選手の自負といいますか、そういうものを見てきましたから。私の目は老眼ですが、目は肥えています(笑)。試合に出るためには自分の努力しかない。結果が出れば、みんな『ナイスバッティング!』『ナイスピッチング!」となる。なので(好結果を導く)“技術屋”でいたいですね」
受講の中学生は関東近郊の名門高校にも進むなど、その先を見据えた指導も行なっている。指導者として根気強く、子どもの良いところを野球塾で探していた。そして「結果とは何か」を説き、その先に見える景色についても経験談から語りかけていた。プロの世界を見てきたから届けられる野球指導がそこにはあった。
○プロフィール
佐野元国(さの・もとくに) 1958年3月6日生まれ、神奈川県出身。横浜高校から1978年ドラフト3位で近鉄バファローズに入団。85年に巨人に移籍、89年に現役引退。90年から大洋ホエールズで2軍、1軍バッテリーコーチを務め、谷繁元信らを指導。その後、巨人で2軍育成コーチ、1軍バッテリーコーチを歴任し2000年の日本一に貢献した。現在は横浜で「クリス・ベースボールアカデミー」で少年野球の指導にあたっている。
(Full-Count編集部)
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