「36勝できそう」「4割期待できる」 新庄監督、ボケ&軽口全開で語った“手応え”
顔面死球→2試合連続マルチの野村は「コツをつかんだんじゃないかな」
数日前には、直接アドバイスを送っていた。「『打ちにいく時、ちょっとグリップを上に上げてから、同じようにスイングしていったら強い打球が打てるよ』と言ったら、彼は器用なので、すぐできて。いい打球がここ何試合か続いてきている」と説明したビッグボス。よほどうれしかったのか「それを続けさせて、次はさらに上に、上に、上に、上げさせる」と自らグリップを極端に上げる構えを見せて、報道陣を笑わせた。
プロ初の4安打をマークした野村の成長ぶりにも、笑いが止まらない。17日のオリックス戦(ほっと神戸)で顔に死球を受けて鼻骨を骨折した後、翌18日の同カードの2安打に続く2試合連続マルチ安打。「顔にデッドボールが当たってから、タイミングがものすごくゆったりと早めに取れるようになった。ゆっくりボールを線で見て、センターに打ち返すコツをつかんだんじゃないかな。4割、期待できますね」。21歳の4番打者を滑らかな口調で分析すると、ハーラートップタイの5勝目を挙げた伊藤についても「今年は36勝くらいできそう」と軽口が飛び出した。
5月に入って8勝7敗と上昇気流に乗ってきた。「成長してきているので、よそのチームからしたら、ちょっと嫌な雰囲気のチームになってきつつあるとは思いますけどね」と手応えを口にする一方、発展途上であることを強調する。「レギュラーも決まっていないし、まだまだこれから。どんどん動いていくし、もっともっと強いチームを作り上げていくための準備運動」と現状を位置づける。「もう楽しみでしかない。面白い打線を毎日組める」と充実感たっぷりに語ったビッグボス。その視線の先には、明るい未来がはっきりと見えている。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)