チーム内に「負けさせる存在がいた」 強豪中学の監督が反省した選手との距離感

「監督がいるだけで、選手にとってはプレッシャー」

 自身の言葉が選手に無用な重圧を与えていると気付いた指揮官は言動を見直した。すると、近くて遠かった全国への道が開けた。しかも、全国の舞台でも結果を残すようになった。

「監督がいるだけで、選手にとってはプレッシャーになるはずです。近寄りすぎないようにしています。選手は伸び伸び練習できますし、離れたところにいる方が話しかけやすいと思います」

 もちろん、西尾監督は気になった点があれば選手たちに声をかける。ただ、選手たちから西尾監督に質問するケースの方が多い。その際、指揮官は全選手を集める。

「1人の選手にだけアドバイスすることはありません。1人の選手の悩みは、他の選手にも共通している可能性があります。その悩みを自分と照らし合わせて、アドバイスを取り入れてみようと思う選手もいます。特に、うちのチームは小学校までの経験や技術、体の大きさなどがバラバラなので、いつ、どんなきっかけで伸びるか分かりません。色んな考え方や方法を選手に示して、自分に合ったものを選べるように心がけています」

 自分がチームの“敵”になっていたと悟った指揮官。現在は絶妙な距離感で選手を見守る。

(間淳 / Jun Aida)

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