チーム内に「負けさせる存在がいた」 強豪中学の監督が反省した選手との距離感

東京・上一色中の西尾弘幸監督【写真:伊藤賢汰】
東京・上一色中の西尾弘幸監督【写真:伊藤賢汰】

「今は『絶対勝つぞ』と伝えることもありません」

 指導者と選手の“距離感”。選手の成長に大きな影響が出る要素であり、指導者たちはベストな方法を模索している。全国大会で準優勝も経験した東京・江戸川区の上一色中学野球部を率いる西尾弘幸監督は、選手に近寄りすぎないようにしている。根底には、監督の存在は選手に不要なプレッシャーを与えかねないという反省があった。

 上一色中学は最近7年間で春夏合わせて全国大会に8度出場している。そのうち準優勝が2度、3位が2度と日本一が手の届くところまできている。だが、それ以前は全国大会出場が高い壁だった。西尾監督は、チームの敗因が自分自身にあったと明かす。

「あと1ストライクで全国大会というところで負けた試合もありました。自分が『勝つぞ、勝つぞ』と、選手にプレッシャーをかけていたことが原因だと思います。本来は味方のはずのチーム内に負けさせる存在がいたわけです。思わぬところに敵がいた状態です」

 全国大会出場が近づくほど、選手たちには西尾監督からの“重圧”がのしかかった。過度な緊張や不安を感じる中、普段通りのプレーをするのは難しかった。

「全国大会に出てもいないのに、日本一になろうと言っていました。日本一を目指さないと全国にはいけないと思っていました。子どもたちには、トイレに目標を書いた紙を貼るようにも言っていました。今は『絶対勝つぞ』『全国大会にいくぞ』などと伝えることはありません」

「監督がいるだけで、選手にとってはプレッシャー」

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