切り離せぬ“お金問題” 「部活動指導員」の報酬を負担するのは行政か保護者か?

部活動改革で「指導者=ボランティア」からの変化に期待の声

 中学校の野球部は一般的に、土日祝日は1日活動し、平日は放課後の数時間となっている。指導時間を極端には伸ばせない以上、生活できるだけの報酬を確保するには、時給を上げるのか、学校に関わる部活以外の仕事も任せるのか、いくつかの方法が考えられる。

家城:部活の他に学校で何か仕事をやらせてほしいと思っています。そうすれば、収入面だけではなく、子どもたちを知る機会が増えます。関わる時間が増えて身近に感じてもらえれば、部活での指導にも生きます。

福島:市町村によって違いはあると思いますが、そういったシステム自体はあります。私立高校で野球部の指導者が事務職員に入るような形です。外部指導者にも学校側にもメリットがありますが、やはり問題になるのは予算です。

 部活指導員の報酬は、いくつかの選択肢が考えられる。国や県、市町村が負担、つまり税金でまかなうのは1つの案。保護者が負担する考え方もある。

福島:やってみなければ分からない部分はありますが、保護者負担の理解を得るのは難しい面もあります。シニアやボーイズのようなクラブチームではなく部活を選ぶのは、経済的な理由もあります。塾と同じように、保護者が部活で手当てを負担すれば、指導者の責任感が生まれますが、成果も期待されます。今までにないケースなので、難しい一面があります。部活は今まで指導者に対しての費用の負担がなかったので、保護者は不満があっても口にしなかった面があるかと思います。様々な視点から考慮する必要があり、現場の実態を把握することを国には考えてもらいたいです。

家城:私は、保護者への費用負担を徐々に進めていってほしいと思います。やはり欧米みたいに、指導者にはそれなりの対価を払う世の中にしていくべきだと考えているからです。私は部活動指導員になって、いくらかでも報酬をいただいた時に「もうプロの指導者なんだ」という大きな責任感を持ちました。指導者として毎日学んでいかないといけない気持ちで今もやっています。シニアとかボーイズは月謝を1万円くらい取るところもあります。部活が同じような金額にはならないと思いますが、今回の部活動改革で「指導者はボランティア」という日本の風習が変わっていくことを願っています。

(Full-Count編集部)

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