切り離せぬ“お金問題” 「部活動指導員」の報酬を負担するのは行政か保護者か?

部活動指導員の報酬はだれが払う?
部活動指導員の報酬はだれが払う?

生活するには不十分な報酬、金銭面で断念する希望者も

 東京都の中学校野球部で「部活動指導員」を務める男性と、福島県で長年野球に携わっている教員らによる意見交換から問題解決の糸口を探す連載。最終回のテーマは「部活指導員の報酬と予算」。適性のある部活指導員を十分に確保するには、お金の問題が切り離せない。

 オンラインによる意見交換会では、参加者が指摘する課題は共通していた。立場は違っても、東京都の中学校で野球部を担当している部活動指導員の家城雅一さんも、福島県にある一般社団法人「福島ベースボールプロジェクト」に所属する現役の中学教師や元校長らも「お金」にハードルを感じていた。

※以下、「福島ベースボールプロジェクト」からの参加者の発言は「福島」、部活指導員・家城さんの発言は「家城」と記載。

福島:だいぶ前から、教員以外の外部指導者が部活に参加することは認められていました。ただ、保護者会からガソリン代が支給されるくらいで、ほとんどボランティアでした。5年前から部活動指導員の制度ができて、一定の報酬を支払うようになりましたが、必要な人数には全く届いていないのが現状です。家城さんへの報酬はどこから支払われているのですか?

家城:教育委員会からです。部活動指導員の報酬だけでは生活できません。私はメンタルコーチの資格を持っているので、セミナーや勉強会を開いたり、高校球児をサポートしたりしています。

福島:プロの指導者に依頼したら、少ない報酬で引き受けてもらえるのでしょうか。福島では教員OBが部活指導員になっているケースが多いです。ボランティアに近い金額で、どれだけの人が引き受けてくれるのか本当に心配しています。

家城:部活指導員をやりたい人は結構いると思います。実際、私がメンタルコーチの資格を取った社団法人には認定コーチが約100人いますが、ほとんどは金銭面の条件が合えば喜んで手を挙げると思います。希望している人を、どのように引き込むかです。

部活動改革で「指導者=ボランティア」からの変化に期待の声

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