空振りで安打の確率が上がる!?　失敗を成功につなげる強豪中学監督の“声掛け”

マイナスの感情発露は逆効果「全打席ヒットを打てる選手はいない」

　西尾監督は、練習通り打席に入るには「一喜一憂しないことが大事」と選手に伝えている。それは指導者も同様で、マイナスな感情を出しても逆効果だと考えている。

「どんな選手も、ずっと好調は続きませんし、全打席でヒットを打てる選手はいません。1打席目で凡退して世界の終わりくらい落ち込む選手や、ストライクを1球取られただけでがっくり肩を落とす選手がいますが、それでは1試合を通じて練習通りのスイングができなくなります。指導者が凡退した選手を怒るのも逆効果で、選手が打てなくなってしまいます」

　凡退の後に気持ちを切り替えられるのか、試合に臨むまでの準備も打席での心境を左右する。西尾監督は「最大の準備は練習」と力を込める。

「ヒットを打つためには裏付けが必要です。練習でできないことを試合ではできません。打つために必要な動きを身に付けるのが練習であり、不安が残った状態で打席に立てば準備不足です。試合になれば、相手投手は簡単には打たれないように投球します。それを超えるには練習が必要なのは言うまでもありません」

　考え方次第で結果は変わる。野球は失敗のスポーツ。凡打に倒れても前向きに取り組む姿勢が、次の打席で好結果を生む確率を上げる。

（間淳 / Jun Aida）